クラウドの発展進化

 

前項で、クラウドサービスには2種類の概念のクラウドがあると述べました。もちろん、企業などでも、同じ企業内で、プライベート、パブリックの両方とも利用していることが多くあります。こうした活用の実態が、なかなかクラウドの定義がピタリと一致しない原因かもしれません。

 

「クラウド・コンピューティング」という言葉自体が出てきたのは2006年あたりからとされていますが、当然この時点では、もうオンラインストレージやWebメールなど、クラウドサービスとなるようなサービスは存在していました。

 

例を言えば「Yahoo!メール」などがそれに該当します。つまり全く新しいサービスではないのです。ただ、従来からあったネットワークサービスをもっとわかりやすいように総称した表現にしたこと自体に大きな意味があるということです。それが、何年か経ってから話題になってきたわけですが、きっとそれは他の環境が変化してきたからでしょう。

 

その環境とはネット環境の進化です。常時接続のブロードバンドや無線LANなどは当たり前になったからです。これによって多くのユーザーが自宅に加えて、外でもノートPCやパッド、スマホなどのモバイルで、手軽にいつでもネットにアクセスできるようになったから、クラウドが話題になってきたのです。

 

何しろゲームさえもネットを介してするのが当たり前になっています。ネットの環境が大幅に進化したから、逆に、単独で使うデスクトップパソコンや専用ゲーム機などは今や大苦戦です。

 

いずれにしても、クラウドサービスの利便性を一度知ってしまうと、非常に便利であることがわかります。こうして需要が更に増加して、新しいサービスも更に登場していくのです。クラウドサービスが注目を集めるのも当然です。